目利き力養成研修【第2期】終了

 ㈱広島銀行が今年度スタートした「目利き能力養成研修」の第2期生下期研修(10月~1月)が終了しました。最終日の1月23日(金)夕方より、上期同様3グループ(15名)が5日間の研修成果としての戦略提案書のプレゼンテーションを実施。業種的には、①飲食業、②流通業、③サービス業と全て異なる企業を担当して頂きましたが、自班以外の別グループの発表を聞いて受講生相互が十分に理解・納得し合えた模様で、所期の目的である目利き手法の定着と一定レベルへの到達を実感できました。インターネット等の検索情報によると、「銀行員には経営戦略の目利きは不可能」といった専門家の意見が大勢を占めているようですが、私が同行の先駆的な研修企画を引き受けた時から想定していたある意味“勝算”(逆に元銀行員だからこそ限界と可能性を理解しているつもり…)が証明されたという点で、至極当然の結果として爽やかな思いで研修を修了することができました。
 プレゼンに同席された融資企画部長様も堂々と発表する紅一点の女性行員の姿にはビックリされた様子でした。また、その総評の中で、超低金利下で金融機関の平均利ザヤがゼロ%挟みの厳しい情勢にある中、本業の中小企業融資で目利きを利かして収益性を高めていくことこそ地域金融機関の使命であり戦略であるというコメントは彼ら2期生への期待と重責が表れたものとして、研修を終えた皆んなも安堵感というよりむしろ引き締まった表情をしていたのが印象的でした。広島銀行は今後3年間かけて法人融資業務を中心とする100店舗に各1名、つまり100名の目利き行員を養成されるとのことで、こうした方針に共鳴する者として同行と一心同体でバックアップをさせて頂きたいと志を新たにしました。
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JQA受賞「審査総括」説明会に参加(※広ガス高田の受賞コメント)

 昨日は広島ガス高田販売㈱の2014年度JQA経営革新推進賞の受賞に係る説明会がホテル・センチュリー21広島で開催されました。講師は日本経営品質賞委員会から審査員リーダーと事務局の日本生産性本部員の2名、受講メンバーは同社幹部と経営品質向上チーム(定例JQA会議メンバー)の6名、私は同社支援者という立場で特別にオブザーバーとして参加させて頂きました。非公開のため審査詳細のコメントは公表出来ませんが、ニュース欄で速報の通り、同社受賞は広島の企業としては初めての“快挙”なので、「審査総括」の結論部分を引用して以下に簡単にご紹介させて頂きたいと思います。
 「当社は創業者の『暮らしを豊かにする』という経営理念のもと、業種発想から業態発想へと考え方の転換を図りながら、移動時間30分圏内の地域に密着したビジネスを展開しています。LPガス事業、家電販売事業、ハウジング事業を柱にし、独自の新規事業として暮らしの支援事業を展開することで、より地域に密着する企業へと成長を遂げられています。当社では、組織目的と長期事業構想を経営計画書に示し、それを勉強会や朝礼を通して組織全体で共有しています。そして各係やプロジェクトチームで実行計画書を作成することで、理想的な姿と現状とのギャップを認識し、課題解決のために戦略的に行動しています。また、プロジェクトチームでの活動や実行計画書の振り返り時の意見交換など、組織内での対話が活発に行われていることも現地審査で確認できました。さらに、暮らしの支援サービスの企画においては、暮らしの支援係と経営品質向上チームが一緒に議論するなど、目的実現のために係やチーム同士の協力関係が構築され、様々な活動が展開されています。顧客を起点として様々な活動を展開するために、アンケートや地域貢献プログラムにおける集会所清掃など顧客の声を集めるための工夫が行われています。そしてこれらの仕組みから、顧客や市場の変化を把握し、それを新規顧客獲得や提案滑動に結びつけています。市場全体が縮小傾向にある中、当社では、他のガス事業者にはない独自性のある取組みと、地域の住民の困りごとを解決する『暮らしの支援サービス事業』が着実に展開されています。このように戦略的に活動した結果、ガス事業における新規開栓の獲得や暮らしの支援サービスの売上増加が図られ、『ガス事業者』から『暮らしを豊かにする商社』に向けた経営革新が推進されています。」
 如何でしょうか。当社が足元10年近くの期間を通して、ブレることなく努力を積み重ねてきたダイナミズムの断片でも感じ取って頂くことができれば幸いです。また、当社にとって、こうした歩みの端緒となった取り組みは、別ページ「今月の公的認定」でご紹介している経営革新認定からスタートしています。2014年の年末に際し、皆様の会社でも来年を変革の第一歩として歩き始めていかれることを祈念して今年のHP情報の締め括りとさせて頂きます。

JQA認定アセッサー更新研修に参加

 日本生産性本部(東京)にて、隔年必要とされるJQA日本経営品質賞セルフアセッサー資格の認定更新研修に参加してきました。今回の研修は、①午前:本HPで今年初に紹介の2014年版アセスメント基準書の改訂事項解説、②午後:チェーン展開する神戸のパン屋を題材としたグループ演習。
  ①については広島ガス高田販売㈱のJQA日本経営品質賞「経営革新推進賞」受賞のニュース記事に記述の通り、今年度の同社申請に向けた勉強会で精読して相違点や改訂の主旨を咀嚼して自ら解説していたので確認という意味合いであった。本音を言えば、この研修を受けた後であれば随分時間の節約が出来たのになぁ…というところ。
 ②については経営革新等支援機関として今年、パン屋の経営再建計画の策定とモニタリング実務を実践中なので難無く課題と対応策をまとめることができた。チームメンバーは大手企業の管理職を中心とした6名でしたが、個人事業主の私も臆することなく問題解決に導く“切り口”を提言。【A】製造販売業という特性を勘案した論点整理のために「QCD」+「S」、【B】混乱状態にある組織再生の勘所としてバーナード組織論の主要論点である「目的」「貢献意欲」「コミュニケーション」の3層構造理論をレクチャー。多少出しゃばった感もしたが、結果としては8つのチームの内で一番討議内容レベルが高いとの講師評価を得ることが出来たようだ。
 英知が結集する東京での研修なので、地方の1コンサルとしての自分に気後れする思いも無きにしも非ずでしたが、広島ガス高田販売㈱の受賞同様に全国レベルのフィールドの中でこそ日頃の自己研鑽の成果が再確認出来たこと点で有意義だと感じるとともに、今国が模索している都会だけではなく“地方を元気にする”という方向性の一翼を担えればと気を引き締めて帰広しました。

福井への企業連携アドバイザー派遣

 台風一過の9月下旬、協同組合福井問屋センター(福井市)への企業連携支援アドバイザー派遣業務で訪問。本業務は(独)中小企業基盤整備機構の専門家派遣業務で、国と都道府県が行う低利融資制度である高度化資金の借入利用先が無償で受けられるもの。私は2000年から専門家派遣に対応しており、当センターへは昨年7月から継続的に訪問させて頂いております。
 今回は昨年度の派遣指導で完成した中期経営計画の状況チェックと改善計画等のアドバイス。去年は経営計画づくりに苦労されていた皆さん(※指導先は問屋センター内の複数企業)も、一度頭を悩まして作った自信からか…現下の環境変化動向をちゃんと押さえた上で的確な対応策を案出する力がついておられました。北陸地方の平野部は郊外型大型店の集積先行地でもあり流通業界では熾烈な激戦地の一つという厳しいエリアですが、戦略思考を身に着けられた支援先の社長さんは福井人気質とも言える持ち前の勤勉さと相俟って明快な方向性を描かれており大変心強くも爽やかな思いで帰広しました。

経営改善計画(国認定事業)をコペルニクス的な大転換策にて完了

当事務所は昨年秋、国の中小企業経営力強化支援法に基づく「経営革新等支援機関」に認定されました。今年1月からスタートした経営計画等策定支援事業の第1号案件が5月末に初期の計画策定を完了しました。本事業については、※料金体系(参考)ページに記載の通り、金融機関からの支援に支障を来すレベルの重い財務上の問題を抱える中小企業を対象に国費補助2/3を受けられるという制度です。

こうした対象先のため事例内容の具体的な紹介は出来ませんが、今回のケースでは過去20年来の業績不振で債務超過額が数億円にも膨れ上がり、クライアント企業は勿論のことメインバンクも打つ手がなく混迷を極めていた案件で、何が儲かっていて何が足枷なのかすら関係者間の把握がバラバラな有様でした。こうした中、当方は徹底的に内部資料を掘り起こして、①商品別・販路別の収益構造分析(売上原価計算・ABC分析)、②人体健康模型図による成長戦略の策定と部門損益計画を積み上げてシミュレーションを実施。その結果、計画1年目で黒字転換が可能なこと、そして順調に計画通りの改革を進めていければ債務超過の一掃はおろか、9年後には現借入が全て返済可能というもの。このコペルニクス的大転換の施策には、メイン行の審査部門から“目からウロコ”というコメントもあったとか。

本案件では計画策定後3年間のモニタリング期間も応援することになっているため、折角作った計画を机上の空論に終わらせることのない様、今後も4半期毎に企業訪問によるPDCA実践活動の定着支援を行っていく予定です。数年後、優良企業に変貌した暁には“逆転ホームラン”案件の一つとして実名を挙げてご紹介できることを楽しみにしたいものです。

 

目利き能力養成研修を受託

古巣の㈱広島銀行(融資企画部)の要請を受け、私が同行退職後の16年間に体感してきた中小企業の経営改革・改善実務のエッセンスを指導する機会に恵まれました。研修名はズバリ「目利き能力養成」、5月・7月・9月に各2日ずつ計6日間で実案件を通した臨床体験を通して支援の勘所についてアドバイスさせて頂くという趣旨。このテーマは私自身銀行マン時代に限界を感じざるを得ず、脱サラ開業後一貫して目指してきたもので、銀行にとっても自分自身にとっても永遠の課題と言えるものです。

第1クール目にあたる今回は座学講座編。金融機関が監督官庁の金融庁から求められている不振企業に対する取引基準“10年以内正常化”を前提に、私が10年タームで経営指導に当たってきた製造・卸・小売・飲食サービスの各業種の事例から導き出される支援の勘所をレジュメに集約。ただ、私自身事例企業の一つ一つに思い入れが深く経営者の表情が変わっていく様(暗く青白い⇒好血色の明るい笑顔)が話しながらも想起され、脱線や長話の連続から予定時間を大幅にオーバー。事務局曰く「今年度の目玉研修」との御触れで、公募・セレクトで県外等遠方の支店から参集された少数精鋭の行員さんの一部に帰りの時間的支障が生ずるなどご迷惑をお掛けしてしまった点等、反省しきりで初回講義を終えました。

中小食品スーパーの復活作戦セミナー

2月19日広島市中央市場にて、広島市生鮮三品連絡協議会(幹事:広島市青果食品商業協同組合、後援:広島商工会議所)のご依頼による「生鮮三品強化で復活した中小スーパーの事例」セミナーの講師を務めました。事例編ではイオンvsイズミの流通激戦地である北部九州地区にて、売上激減と赤字経営に苦しんでいた地元店の業績回復に至る3~5年間に及ぶ支援の舞台裏を紹介。また、小生オリジナル戦略論に加え、スモールビジネスマーケティング、ブルーオーシャン戦略等の理論的背景を「小が大を制する経営戦略」として体系的に整理してレクチャーしました。

ミラサポ無料派遣への参加

中小企業庁「ミラサポ」事業にて、無料派遣に専門家として初めて対応させて頂きました。 本事業は中小企業・小規模事業者の方が無料アドバイスを3回まで受けられる嬉しい制度です(※制度の告知不足が課題のようですが…)。 平成25年度は2月末までの事業予定となっていますが、来年度以降も“名称を少し変えて”継続される模様です。 利用回数制限がありますが、通常、3回程度伺えば大方の経営課題や方向性が見出せるものと心得ています。 ご興味・ご関心がお有りの経営者の皆様は国の案内をご覧ください。

HP開設のごあいさつ

自身齢五拾(知レ天命)を過ぎ、今年の事始めに…と漸く「経営考房」のオフィシャルHPを開設致しました。長年ご支持下さっている企業経営者の皆様の声にお応え出来るよう当サイトも適宜、充実して参りたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます(平成24年元旦:代表 山根敏宏)。