今月は春から商店街支援ネタの陰で紹介を控えていた経営革新の支援事例を久々に採り上げます(7月の中小企業経営革新計画認定企業参照:広島県庁経営革新課HP)。今月認定を受けた「藤本表具有限会社」は、明治42年に岡山県井原市で創業後、昭和47年に現在の三原市に移転して親子4人で暖簾を守られている家族経営の老舗企業です。事業内容は日本の伝統産業である掛け軸・額等の表装の修復や制作ということで、高い技術力はあるものの「和」を中心とした需要の構造的な減退下、従来の発注元である仏具店等中間業者の疲弊等から、年々取引の縮小を余儀なくされて来られました。今回の経営革新のテーマ「高い技術力を活かした価格競争力による直接受注体制の再構築とデザイナーと提携した新商品開発」では、家族経営の“強み”を最大限発揮して仕事量を増やしながら高収益体質への転換を企図するもの。社長には4人の息子さんがおられる中、家業技能を担う次男・三男さん以外に、社外で活躍するビルダー(長男)・デザイナー(四男)のオール藤本家パワーの結集が勘所。一人ひとりの息子さんはそれぞれの道のプロであるだけに、親子皆なが助け合って一つの方向に一致団結・協力して事業に臨もうとされている姿勢には微笑ましくも力強いものを感じます。相乗効果の発現可能性は∞(無限大)、今後の活躍を大変楽しみにしています。
なお、今回の支援も中小企業庁「ミラサポ事業」の無料派遣制度(最大3回)を組み合わせてご支援させて頂きました。企業規模の大小に関係なく、ヤル気のある中小企業には広く門戸は開かれています。世の中アベノミクスで一服感がありますが、経営環境が延べて好転という訳には行かない昨今、悩める経営者の皆様「もう…」と諦めず、「まだ…」と気持ちを奮い立たせ頑張って頂きたいものです。